留学、就職に転職…。人生には「さぁ、どうしよう?」と立ち止まる瞬間がたくさんありますよね。選択肢が多すぎて迷ってしまったり、SNSで他人の活躍を見て焦ったり、「自分は何がしたいんだろう?」と夜中に考え込んでしまったり、そんな時に頼りになるのが「キャリアの軸」という考え方です。軸があると、迷った時の道しるべになってくれるんです。
この記事では、あなたが探しているキャリアの軸について解決していきます。難しい話ではありません。あなたの中にすでにあるものを、ちょっと整理するだけなんです。
そもそもキャリアの「軸」って何?
キャリアの軸とは、簡単に言うと仕事において「自分の中で大切にしたい価値観や方向性」のことです。
例えば、
- 成長できる環境で働きたい
- 社会に貢献できる仕事がしたい
- 地元で家族と過ごす時間を大切にしたい
- 専門性を磨いてプロフェッショナルになりたい
- 色んな国で働いてみたい など
このように、あなたが「これだけは譲れない」と思うものが軸を指します。
軸がある人は、選択や行動にブレが少なく、後悔することも少ないです。就活の面接でも「あなたのキャリアの軸は?」と聞かれるのは、企業側も「この人はどんな基準で物事を決めるのかな?」を知りたいからなんです。
軸がないとどうなる?ありがちな迷子パターン
軸がないまま進んでしまうと、このようなことが起こりがちです。
ほかにも、目先の条件ばかりに目が行って、「給料が高いから」「海外が好きだから」「みんなが羨ましがるから」という理由で選択した結果、思っていたのと違った…と苦悩を感じてしまうなんてことも。軸がないということは、自分の「納得ポイント」が分からない状態なので、どうしても不安やモヤモヤが続いてしまうんです。
キャリアの軸の見つけ方|3ステップで考えてみよう
では、どうやって軸を見つけるのでしょうか?3つのステップで整理してみましょう。
過去を振り返る
まずは、これまでの経験を振り返ってみてください。
- これまで、どんな時にワクワクしましたか?やりがいを感じた瞬間はいつですか?
- 反対に、辛かったことや「なんか違うな…」と違和感を覚えた時は?
留学中に現地の人と話せた時の嬉しさ、ワーホリ先で新しいことに挑戦した時のドキドキ感、部活でチームが一つになった瞬間、バイトでお客様に「ありがとう」と言ってもらえた時の温かい気持ちなど、日常の小さな出来事の中に、実はたくさんのヒントが隠れています。
今の自分を見つめる
次に、現在の自分について考えてみましょう。
- どんな働き方が自分に合いそうですか?(チームでワイワイ協力するのが好き?それとも一人で黙々と作業する方が集中できる?)
- 何を大切にしたいですか?(収入の安定?人間関係の良さ?新しいことへの挑戦?プライベートの時間?)
なんとなく感じているモヤモヤを言葉にすることで、見えてくるものがあるはずです。友達と話している時に「それいいね!」と反応してしまうことや、「うーん、それはちょっと…」と思ってしまうことからも自分の価値観が見えてきます。
未来を想像してみる
最後に、5年後の自分を想像してみてください。
- どんな自分でありたいですか?
- どこで、誰と、何をしていたいですか?
やりたいことが多くて決められないという方は、「これだけは譲れない」というものを1〜2個ピックアップしてみましょう。完璧な答えを出そうとしなくて大丈夫です。「なんとなくこんな感じかな?」くらいで十分。軸は途中で変わってもいいものなので、今の時点での「仮の答え」を見つけてみましょう。
留学・ワーホリ経験を「軸」に変えるには?
「留学やワーホリに行ったけど、特別すごいことはしていないし…」と思っている人もいるかもしれません。安心してください。「なんとなく行った」経験でも、自分で意味づけすれば立派な価値になるんです。
例えば、
- 多文化環境で様々な人とふれあった → コミュニケーションや人と関わることが軸に
- 限られた予算の中で工夫して生活をした → 効率性や計画性を大切にする軸に
- 自由な時間の中で色々なことを試行錯誤した → 自立心や挑戦することが軸に
- 言葉の壁にぶつかりながらも諦めなかった → 継続力や成長への意欲が軸に
ポイントは、経験を”振り返って言語化する”こと。どんな小さなことでも、「あの時の自分はこう思っていたんだな」「こんなことが嬉しかったんだな」と整理してみてください。
面接やES(エントリーシート)で「軸」を伝えるときのポイント
軸が見えてきたら、就活の面接やエントリーシートで伝える時のコツも覚えておきましょう。
まず「私は○○をキャリアの軸としています」とはっきり言えると、面接官に強い印象を与えられます。そして、その軸をもとに、留学やワーホリ、サークル活動で何を経験し、どう学んだかを具体的に伝えましょう。
企業の価値観と重なる部分があれば、よりマッチング度もアップします。一番大切なのは嘘のない、自分の言葉で語ること。無理に企業に合わせようとすると、かえってチグハグな印象になってしまいます。
「この人は自分のことをちゃんと分かっている」と思ってもらえるような、素直な表現を心がけてみてください。
おわりに:キャリアの軸は”変わってもいい”ものである
最後に、とても大切なことをお伝えします。
キャリアの軸は、一度決めたら絶対に変えちゃいけないものではありません。
新しい経験や出会いによって、軸が育ったり、方向転換することもあります。それは決して悪いことではなく、むしろ成長している証拠です。
社会人になってから「学生の時とは違うことに興味を持つようになった」、海外経験を積んでから「日本の良さを改めて感じて、地元で貢献したくなった」なんてこともよくある話です。
迷った時は、その都度立ち止まって「今、自分にとって何が大事か?」を考えてみてください。周りの人の意見も参考になりますが、最終的には自分の心の声に従うのが一番です。
キャリアの正解は”今この瞬間”のあなたの中にあります。軸があることで、その正解により近づけることでしょう。