キャリアの軸=将来の道しるべ。迷ったときこそ考えたい基準の話

キャリアコラム

留学、就職に転職…。人生には「さぁ、どうしよう?」と立ち止まる瞬間がたくさんありますよね。選択肢が多すぎて迷ってしまったり、SNSで他人の活躍を見て焦ったり、「自分は何がしたいんだろう?」と夜中に考え込んでしまったり、そんな時に頼りになるのが「キャリアの軸」という考え方です。軸があると、迷った時の道しるべになってくれるんです。

この記事では、あなたが探しているキャリアの軸について解決していきます。難しい話ではありません。あなたの中にすでにあるものを、ちょっと整理するだけなんです。

 

そもそもキャリアの「軸」って何?

キャリアの軸とは、簡単に言うと仕事において「自分の中で大切にしたい価値観や方向性」のことです。

例えば、

  • 成長できる環境で働きたい
  • 社会に貢献できる仕事がしたい
  • 地元で家族と過ごす時間を大切にしたい
  • 専門性を磨いてプロフェッショナルになりたい
  • 色んな国で働いてみたい など

このように、あなたが「これだけは譲れない」と思うものが軸を指します。

軸がある人は、選択や行動にブレが少なく、後悔することも少ないです。就活の面接でも「あなたのキャリアの軸は?」と聞かれるのは、企業側も「この人はどんな基準で物事を決めるのかな?」を知りたいからなんです。

 

軸がないとどうなる?ありがちな迷子パターン

軸がないまま進んでしまうと、このようなことが起こりがちです。

新卒採用で入社したA子さん。すんなり内定は取れたもののなんとなく就職先を決めてしまった結果、入社後想像していた環境とのズレを感じ、1年も経たずに離職することになってしまいました。
留学経験のあるBさん。当時「とりあえず行ってみたい」という軽い気持ちでアメリカに出発。しかし、現地で自分が何をしたいかを見出せないまま、著しい環境の変化に振り回されるだけの苦い思い出になってしまいました。

ほかにも、目先の条件ばかりに目が行って、「給料が高いから」「海外が好きだから」「みんなが羨ましがるから」という理由で選択した結果、思っていたのと違った…と苦悩を感じてしまうなんてことも。軸がないということは、自分の「納得ポイント」が分からない状態なので、どうしても不安やモヤモヤが続いてしまうんです。

 

キャリアの軸の見つけ方|3ステップで考えてみよう

では、どうやって軸を見つけるのでしょうか?3つのステップで整理してみましょう。

過去を振り返る

まずは、これまでの経験を振り返ってみてください。

  • これまで、どんな時にワクワクしましたか?やりがいを感じた瞬間はいつですか?
  • 反対に、辛かったことや「なんか違うな…」と違和感を覚えた時は?

留学中に現地の人と話せた時の嬉しさ、ワーホリ先で新しいことに挑戦した時のドキドキ感、部活でチームが一つになった瞬間、バイトでお客様に「ありがとう」と言ってもらえた時の温かい気持ちなど、日常の小さな出来事の中に、実はたくさんのヒントが隠れています。

今の自分を見つめる

次に、現在の自分について考えてみましょう。

  • どんな働き方が自分に合いそうですか?(チームでワイワイ協力するのが好き?それとも一人で黙々と作業する方が集中できる?)
  • 何を大切にしたいですか?(収入の安定?人間関係の良さ?新しいことへの挑戦?プライベートの時間?)

なんとなく感じているモヤモヤを言葉にすることで、見えてくるものがあるはずです。友達と話している時に「それいいね!」と反応してしまうことや、「うーん、それはちょっと…」と思ってしまうことからも自分の価値観が見えてきます。

未来を想像してみる

最後に、5年後の自分を想像してみてください。

  • どんな自分でありたいですか?
  • どこで、誰と、何をしていたいですか?

やりたいことが多くて決められないという方は、「これだけは譲れない」というものを1〜2個ピックアップしてみましょう。完璧な答えを出そうとしなくて大丈夫です。「なんとなくこんな感じかな?」くらいで十分。軸は途中で変わってもいいものなので、今の時点での「仮の答え」を見つけてみましょう。

 

留学・ワーホリ経験を「軸」に変えるには?

「留学やワーホリに行ったけど、特別すごいことはしていないし…」と思っている人もいるかもしれません。安心してください。「なんとなく行った」経験でも、自分で意味づけすれば立派な価値になるんです。

例えば、

  • 多文化環境で様々な人とふれあった → コミュニケーションや人と関わることが軸に
  • 限られた予算の中で工夫して生活をした → 効率性や計画性を大切にする軸に
  • 自由な時間の中で色々なことを試行錯誤した → 自立心や挑戦することが軸に
  • 言葉の壁にぶつかりながらも諦めなかった → 継続力や成長への意欲が軸に

ポイントは、経験を”振り返って言語化する”こと。どんな小さなことでも、「あの時の自分はこう思っていたんだな」「こんなことが嬉しかったんだな」と整理してみてください。

 

面接やES(エントリーシート)で「軸」を伝えるときのポイント

軸が見えてきたら、就活の面接やエントリーシートで伝える時のコツも覚えておきましょう。

まず「私は○○をキャリアの軸としています」とはっきり言えると、面接官に強い印象を与えられます。そして、その軸をもとに、留学やワーホリ、サークル活動で何を経験し、どう学んだかを具体的に伝えましょう。

企業の価値観と重なる部分があれば、よりマッチング度もアップします。一番大切なのは嘘のない、自分の言葉で語ること。無理に企業に合わせようとすると、かえってチグハグな印象になってしまいます。

「この人は自分のことをちゃんと分かっている」と思ってもらえるような、素直な表現を心がけてみてください。

 

おわりに:キャリアの軸は”変わってもいい”ものである

最後に、とても大切なことをお伝えします。
キャリアの軸は、一度決めたら絶対に変えちゃいけないものではありません。

新しい経験や出会いによって、軸が育ったり、方向転換することもあります。それは決して悪いことではなく、むしろ成長している証拠です。

社会人になってから「学生の時とは違うことに興味を持つようになった」、海外経験を積んでから「日本の良さを改めて感じて、地元で貢献したくなった」なんてこともよくある話です。

迷った時は、その都度立ち止まって「今、自分にとって何が大事か?」を考えてみてください。周りの人の意見も参考になりますが、最終的には自分の心の声に従うのが一番です。

 

キャリアの正解は”今この瞬間”のあなたの中にあります。軸があることで、その正解により近づけることでしょう。

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