【キャリアセミナー】
海外キャリア形成セミナーvol.1のルポがTORJAさんに掲載されました!
9月12日、帰国キャリアドットコム主催の、海外キャリア形成セミナーVOL.1~トロントで夢を掴んだ成り上がりキャリアデザイン~が開催された。留学やワーキングホリデーに来たはいいものの、その経験を生かしてキャリアアップするためにはどうしたらいいのか悩んでいる方も少なくないだろう。今回のセミナーではトロントでキャリアを手に入れた相場義之氏と加藤真一氏を招き、どのようにして現在まで至ったのか、その歩みにフォーカスを当て進められた。
セミナー冒頭では、今回の司会進行を務めたI Links株式会社の代表取締役社長兼CEOの岩渕篤史氏から、帰国キャリアドットコムが提供するサービス紹介と留学・ワーホリ後のキャリア形成に関するレクチャーが行われた。同社では、留学・ワーホリから帰国する方に向けて、履歴書・職務経歴書の書き方サポート、様々な企業への紹介、そしてマッチングまでを実現するキャリア形成型就職コンサルを提供している。
岩渕氏は、企業が留学生に求める能力と、留学生が企業にアピールしようと思っている能力の認識にズレがあると説明。留学生たちは、身に付けた語学力を武器にしようとする傾向があるが、一方で企業が求める留学経験者に期待することは、チャレンジ精神や実行力などマインド面を重視しているという事実が存在する。
また近年、留学やワーキングホリデーを経験していることが珍しくなくなってきていることから、自分がその期間にどう行動し何を得たかをどのように語るかがキーになっていると岩渕氏。さらには昨今、大手ビジネスモデルの崩壊、ジェネラリストの需要の高まり、複業時代の到来などと言われ、このような変化を伴う将来を意識したキャリア形成が重要であると言及した。
続くパネルディスカッションでは、事前に集められた参加者からの質問に基づきゲスト二人の経験談が語られた。相場義之氏は2008年にワーキングホリデー制度を利用し、トロントへ留学。高校1年生時にブラジルでのサッカー留学を1年既に経験していた相場氏は、日本から海外へ出ることに魅力を感じていた。
はじめは庭師の仕事に就き、続いてFIN IZAKAYAでサーバーを経てキッチンを経験、これが彼の料理人への道の第一歩となる。カレッジの学費を稼ぐために一旦日本に帰国し、再度渡航。FIN IZAKAYAで再び修業を積む中、憧れであった高級フランス料理店Auberge du Pommierでの職を手に入れる。あまりの厳しさに同僚達が辞めていく中、着実に努力を続けた相場氏は、1年弱でマネージャーポジションに昇進した。現在はAncaster Millにてマネージャーとして勤務している。
一方で、加藤真一氏は、日本でシステムエンジニアとして社会人経験を5年経て、キャリアアップのため2012年にトロントへ留学。もともと駅前留学をしていたことをきっかけに留学を決意。当初は日本での転職活動を見据えて、TOEICの高得点取得とインターンシップ経験を最大の目的としていた。学校に通っている間、定期的にTOEIC受験を設定し貪欲に勉学に励んだ。
TOEICの点数の伸びを実感した後、三菱重工業の子会社であるMITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES CANADA AEROSPACEでインターンシップとして4か月間勤務し、その期間中に正規採用が決まる。さらにはビザ申請待ちの間、日本の親会社である三菱重工業に声を掛けられそこでも経験を積む。現在は移民と同時に同社にSENIOR METHODS PLANNERとして活躍している。
左:相場義之氏 右:加藤真一氏
事前に募集していたゲストへの質問回答の中で、海外で通用する人材になるためには、ネイティブスピーカーの二倍以上の努力が不可欠だという相場氏。外国人である以上ハンディキャップが常にまとわりつく中で、競争に勝つためには惜しまぬ努力とやり遂げるための情熱が必要であるという語り口からは熱量が感じられた。
また、日本人の強みとなる点は?という質問に対し、人から言われたことや当たり前であることをしっかりとこなせることだと加藤氏。自分のことを見てくれる人は必ずいる、だからこそ一つ一つ積み重ねていくことが必要だと語気を強めた。一方で弱みは自己アピールが得意でないために周りの競争の枠から外れてしまいがちである点であり、そこを克服し度胸と自信を持つことが大事であると両氏は互いに共感しながら述べた。
参加者からは、海外で自らの手で道を切り開き、仕事を手に入れた方の話を聞き、漠然とした進路しか抱いていなかったが自分の将来像を考えるヒントになった、今後もこのようなセミナーの開催を期待したい、と好評の声がいくつもあがった。日本でのキャリアアップを考えている人も、海外での成功を望んでいる人も、せっかくの経験を無駄にしないためにどのような姿勢で留学・ワーキングホリデーに臨み、どのように自分の強みにして将来につなげていくかについて、今一度考える機会になったのではないだろうか。