日本のグローバル化が進む中で、海外に留学される方も増えてきました。
一方で「留学から帰国したあと、ちゃんと就職できるか不安」と悩んでおられる方も多いようです。
今回は留学後の転職活動をスムーズに行うためのポイントをご紹介します。
留学後の転職活動に不安を抱えておられる方は、ぜひ参考になさってくださいね。
留学後の転職は厳しい?!
「留学なんかしても転職できないよ」
「ブランクができるから転職しにくいんじゃないの」
こんな言葉を耳にしたことはないでしょうか。
日本において優良とされる職歴は「転職経験が少ない」「同業種で働き続けている」「ブランクが少ない」です。これは「年功序列」や「終身雇用」といった日本独自の文化が大きく影響しています。
ですから留学における企業の面接官が懸念しているポイントを押さえて履歴書や面接時にマイナスイメージを払拭できるように準備が必要です。いちど企業側からみた留学のマイナスイメージについて考えてみましょう。
日本社会の傾向が分からない
現在のトレンドが分からないと、社内の話についていけずに仕事にならないかもしれないと危惧される可能性があります。
たとえ数ヶ月であったとしても、社会情勢は目まぐるしく変化しています。インターネットが普及した昨今では、そのスピードがさらに加速しています。少なくとも転職を希望している業界について、留学中にどのような変化をしてきたのかを大まかにでも掴んでおいてください。
留学の成果を言語化しにくい
留学して何を得られて何ができるようになったのか、尺度が存在しないので成果が分かりづらいことも採用に結びつきにくくしている要因です。
言語能力に関しては資格を取得して視覚化しておきましょう。
わざわざ留学したからには、海外ならではの経験を積み、その経験を持ち帰りたいもの。可能であれば留学先でインターンに参加したり、その国の業界事情を把握したりして、積極的に帰国後の転職活動につながる行動を取りましょう。
すぐに辞めてしまうと思われる
「留学したのは会社で働くのがイヤになったからではないのか」と捉えられることがあります。留学される方は高い志とキャリアアップを希望している方も多いのですが、そう考えてくれる企業だけではありません。語学を勉強するだけなら、日本国内でもさまざまなツールやサービスを使えば事足りるからです。キャリアを継続せずに会社を退職し、高額な資金を投じて国外に留学した理由を明確にしておきましょう。
留学後の転職を有利にするための5つのポイント
それでは転職を有利にするために、どのように行動すべきか確認していきましょう。
早い段階から自己分析と業界研究を行う
留学中は、国外という未知の場所で客観的に自分と向き合える良いチャンスです。帰国前から自己分析と業界研究を行いましょう。帰国してから自己分析などを開始すると転職時期が遅れるばかりでなく、ブランク期間も伸びてしまい日本国内での転職に不利になるからです。
また、留学中に業界研究を行えば、必要な資格や経験などをチェックして事前に準備しておけます。
- TOEICで最低700点必要
- 海外での実務経験必須
などを条件にしている企業も見受けられますね。
留学中や留学前にこういった情報を収集しておくと、留学している間に転職に有利な活動が取れますよ。
留学した理由を納得感の高い言葉にする
現代日本では留学せずとも語学を習得するツールが揃っています。
なぜ留学するのか、数ある選択肢の中から留学を選んだ理由はなんなのかを言葉にしておきましょう。
第三者が読んでも納得できる言葉にするのが大切です。
例えば
- 海外を身近に感じながら語学の勉強がしたかったから
- 日本とロシアの橋渡しをする仕事に就きたいので、ロシア留学をして現地人の気性や特性を肌で感じたかったか
上記２文で比較するなら、下の文章の方がより具体的で納得感がありますね。さらに転職後の仕事も考えている様子が伺えます。
留学の理由を明確化しておけば、留学中もモチベーションを高く維持できます。
留学で得た学びを書き出す
グローバル社会となった今では、語学力を必須とする企業も増えてきました。
しかし、企業が求めているのは、「留学経験がある人」ではなく「今後自社で活躍してくれる人」です。
そのため、留学した事実や具体的な内容をどれだけ話しても企業担当者には響きません。もっとも効果的なのは留学で得た「仕事に使えそうな学び」なのです。
留学における学びとは、語学力の向上も当然のことながら、第二言語でのコミュニケーションスキルや、日本人との考え方の違い、飲食や風習、日本と海外での同業者の共通点や違いなども含まれます。
これらを書き出した上で転職に有利になりそうな学びをチョイスしておき、履歴書や面接時に伝えましょう。
語学系の資格は帰国前もしくは帰国直後に取る
必要な資格はできるだけ早めに取得しましょう。
たとえばTOEICは申込締切から試験まで１ヶ月、結果が届くのはさらに１ヶ月かかります。
つまり帰国後に準備を始めると２ヶ月間は資格の証明ができないのです。
留学先で取得できるならそれに越したことはありません。日本国内で受験するにしても留学期間中に申し込みを行い、少しでも早く資格を取得して履歴書に書けるように準備しましょう。
前職で得たスキルと海外経験で得たスキル（語学力他）の両方を活かせる仕事を探す
みなさんも感じている通り、留学という経験はそれほど珍しいものではありません。
また通訳機の進化や進学率の向上などから、第二外国語が話せるだけの人もさほど重要視されなくなりました。
留学後にキャリアアップを望むなら、前職までに得た知識やスキルと留学経験を掛け合わせて転職活動を行いましょう。
あなたの人生は、すべてかけがえのない財産です。
「営業力×語学力で海外販売に活かす」「接客スキル×語学力でホテルマンに転職する」など、様々な可能性が拓けます。
留学経験にこだわらずにこれまでのスキルや経験の棚卸も行って、あなたのキャリアアップを実現してくださいね。