「インフラエンジニアは楽」にモノ申す!実際の仕事と適性を解説

キャリアコラム

「インフラエンジニアって楽そう」「基本デスクワークで快適そう」
SNSや転職サイトで、そんな声を目にしたことはありませんか?たしかに、未経験から目指せる職種という話もあり、「なんとなく楽そう」と思われがちです。

でも、ちょっと待ってください。それって本当でしょうか?
実は、開発エンジニアとは違う特徴を持ちながらも、責任の重さや見えないプレッシャーが大きい仕事でもあるんです。

この記事では、「インフラエンジニア=楽」説に疑問を投げかけつつ、実際の仕事内容や向いている人の特徴を紹介します。

 

インフラエンジニアの仕事とは

インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなど、システムの“土台”を作る・守る仕事です。皆さんが、普段使っているWebサービスやアプリを正常に作動するように見えない部分を支えています。

「開発しないエンジニア」というイメージもありますが、実際にはシステムをより快適に使用できるようにスクリプトを書いたり、自動化の仕組みを作ったりと、コーディングスキルも必要な場面が多いです。ただし、アプリケーションをイチから作るというよりは、既存のシステムを安定して動かすためのコードを書くことが中心になります。

 

開発エンジニアとの違い

開発エンジニアは、フロントで見える部分(ユーザーが直接触れる画面や機能)を作るのに対して、インフラエンジニアはバックエンドの安定性を確保するのがおもな役割です。

例えば、ECサイトで商品を注文するとき、ユーザーは開発エンジニアが作った注文画面を使いますが、その裏でサーバーが正常に動作し、データベースが正確に情報を保存できているのはインフラエンジニアの仕事があってこそ。トラブルがあったら即対応が求められる、まさに”影で支えるプロフェッショナル”なんです。

 

インフラエンジニアが「楽そう」に見える理由

では、なぜインフラエンジニアの仕事が「楽そう」に見えるのでしょうか。

自動化が進んでいるように見える

インフラの世界でも、スクリプトやツールで効率化が進んでいます。監視システムが自動でアラートを出してくれたり、定期的なメンテナンス作業が自動化されていたり、これらを見ると、作業が“単調”に見えることがあります。

基本デスクワークで落ち着いているように見える

インフラエンジニアの仕事は、基本的にデスクワークが中心です。営業のように外回りをしたり、接客のように常にお客様対応をしたりする必要がありません。落ち着いて見える職場も多く、自分のペースで集中して作業できる環境があります。騒がしいオフィスが苦手な人にとっては、働きやすい環境といえるでしょう。

スーツ不要・在宅勤務可など、働き方が柔軟に見える

多くのIT企業では、服装が自由だったり、リモートワークが可能だったりします。満員電車に揺られてスーツで出勤する必要がない職場も多く、働く場所や服装の自由さから「ゆるそう」に映るケースもあるでしょう。

 

インフラエンジニアのどこが大変?

「楽そう」に見える理由をお伝えしましたが、実際のところインフラエンジニアは決して楽な仕事ではありません。

常に技術のアップデートが求められる

IT業界は技術の進歩が早く、インフラの世界も例外ではありません。最近では、クラウド(AWS、Azureなど)への移行が急増していますし、自動化やIaC(Infrastructure as Code)といった新しい技術のキャッチアップが必要です。

「一度覚えれば終わり」ではなく、持続的な学習が求められる分野でもあります。

トラブル対応のプレッシャー

稼働中のサービスが止まれば即、会社全体に影響が出てしまいます。ECサイトが止まれば売上に直結しますし、社内システムが止まれば全社員の業務が停止してしまいます。ひとつの操作ミスが“全社障害”につながることもあります。そのプレッシャーは想像以上に大きいことでしょう。

夜勤や土日対応が発生することも

システムは24時間365日動き続けています。深夜にトラブルが発生すれば、当然対応が必要となります。また、大型システムの更新は業務時間外に行うことが多いため、土日に出勤するパターンも珍しくありません。

 

どんな人が向いている?インフラエンジニアの適性

では、どんな人がインフラエンジニアに向いているのでしょうか?

慎重でミスを防ぐ意識が高い人

インフラエンジニアは、「なんとなく」で作業するのではなく、一つひとつの手順を確認しながら進められる慎重さが大切です。作業前のチェックリスト作成や、複数人でのダブルチェックなど、ミスを防ぐための工夫が欠かせません。
小さな設定ミスが大きなトラブルにつながるため、確認癖のある人に向いています。

ロジカル(理論的)に物事を捉えられる人

システムにトラブルが発生したとき、複数の原因から不具合を切り分ける力が重要です。どういった不具体が起きてしまったのか、ログを見て、設定を確認し、論理的に原因を特定していく必要があります。
推理小説が好きな人やパズルを解くのが得意な人は、この分野に向いているかもしれませんね。

サポート役や裏方にやりがいを感じられる人

この仕事は、人から直接「ありがとう」と言われることは少ないかもしれません。しかし、近年急速に発展していくIT技術や最新システムは、土台となるインフラエンジニアのおかげで正常に稼働できているのです。「みんなが快適に過ごせる環境を私たちが支えている」という充実感を得られるやりがいのある仕事といえるでしょう。

最新の技術に抵抗のない人

インフラエンジニアは、常に新しい技術を取り入れていく柔軟さが必要です。クラウドやセキュリティ、スクリプト言語など、一度にすべてを覚える必要がありませんが、コツコツと継続して学習できる人が長く活躍できるでしょう。

 

「楽そう」だけで選ぶのは危険。しっかり検討してから決断を

インフラエンジニアが「楽そう」に見えるのは、表面的な印象に過ぎません。たしかに、働きやすさや柔軟な勤務形態など、ほかの職種にはない魅力もあります。しかし、それだけで飛びつくのはちょっと危険。トラブル時のプレッシャー、休日や夜間の対応、最新技術のキャッチアップなど、実際には見えにくい大変さもあります。

「楽そう」に見えるかどうかではなく、自分に合っているかどうか、少しでも興味を持った方は情報収集から始めてみましょう。

タイトルとURLをコピーしました