多くの学生が「滑り止め=なんとなく受ける会社」と捉えがちですが、そんな考え方が就活で失敗する原因になっているかもしれません。第一志望じゃないからと、軽い気持ちで面接に臨んでいませんか?滑り止めのはずがどこからも内定を貰えないまま、結果として本命企業での選考にも悪影響が出てしまう、なんてことも。
今回は、そんな滑り止め企業の新しい捉え方と、戦略的な選び方をお伝えします。
滑り止め企業=妥協と思い込むのはなぜ?
まず、なぜ多くの学生が滑り止め企業を「妥協」と捉えてしまうのでしょうか。
就活を経験した方なら、誰しも一度は考えることですよね。しかし、最初の印象だけで判断するのはもったいないことが多いんです。実際に企業研究を進めてみると「あれ?意外と面白そう」と思えることがあるかもしれませんよ。
知らない会社だから、なんとなく「つまらなさそう」と思ってしまうのはごく自然なことです。しかし、実際に働いている人の話を聞くと想像とは全然違ったなんてことも珍しくありません。
InstagramやXで「〇〇会社に内定!」という投稿をみると、つい焦ってしまいますよね。特に聞いたことのあるような大手企業に就職できたと聞いたら対抗心や劣等感を感じてしまうのは当たり前です。しかし、待ってください。本当に自分にあった会社って有名な大手企業“だけ”なのでしょうか。
考え方を少し変えてみるだけで、滑り止め企業が魅力的にみえてくるかもしれませんよ。
滑り止め企業=安全牌ではなく、可能性を広げる選択肢
滑り止め企業を「安全牌」として捉えるのではなく、「可能性を広げる選択肢」として考えてみましょう。
内定獲得で“安心感”が生まれる
まず、内定を一つでも獲得することでメンタルが圧倒的に安定します。この安心感があると、面接のパフォーマンスが格段に上がります。「絶対に内定をもらわなければ」という重圧から解放されて、緊張感が和らぎ、”素の自分”で挑めるようになるのです。実際、「最初の内定をもらってから、他の企業の面接がすごく楽になった」という先輩の話、よく聞きませんか?これは決して偶然ではないのです。
思いがけない“出会い”のきっかけに
面接や説明会に参加し、企業説明を聞くうちに「意外と自分に合っているのかも」と思うことがあります。それは求人票やホームページには載っていない「リアルな声」が聞けるからです。企業研究を深めるなかで、これまで気づかなかった”軸”が見えてくるかもしれませんね。
キャリアの「保険」ではなく「選択肢」になる
内定を複数持つと、「選べる」立場に変わります。これは精神的にも大きな変化です。本命の選考が進まなかったときに、第二志望として考えていた企業が第一志望に昇格するケースも実は多いんです。
「最初は滑り止めのつもりだったけど、面接を重ねるうちに、この会社で働きたい気持ちが強くなった」なんて話も珍しくありません。
戦略的な滑り止め企業の選び方
では、具体的にどうやって戦略的に滑り止め企業を選べばよいのでしょうか。5つの視点から考えてみましょう。
自分の“キャリア軸”に合っているか見極める
大切なのは、「興味のある分野」「働き方」「価値観」と一致しているか見極めることです。
たとえば、あなたがグローバル志向なら海外展開している企業、ワークライフバランスを重視するなら残業時間が少ない企業、社会貢献したいなら地域密着型の企業など、本命企業と共有する要素がある企業を選ぶと志望動機も作りやすくなります。
成長できる環境かどうか
キャリアアップのチャンスが多い、研修制度が整っている、部署異動の柔軟性があるなど、成長できる環境かどうかを確認しましょう。

規模は小さいけど、若手のうちから責任ある仕事を任せてもらえる

研修制度が充実していて、未経験でもしっかりスキルを身につけられる
入社後のことを考えると、これらは重要な要素となります。
社風や雰囲気が自分に合いそうか
OB・OG訪問、社員インタビュー、会社説明会などを通じて、社風や雰囲気をチェックしましょう。ぜひ、気になること、不安に感じていることは積極的に質問してみてください。特に留学・ワーホリ経験者の場合、その経験を理解してくれそうな空気感があるかも重要なポイントになることでしょう。
第二志望として本気になれるか
受けるからには「入社しても後悔しない」企業を選ぶことが大切です。滑り止めだからといって、第一志望と同じような志望動機では面接官に見抜かれてしまいます。
- もしここに入社したら、どんな仕事をしたいか
- この会社でどんなキャリアを築きたいか
- どこに魅力を感じていて企業に貢献していきたいか
こういったことを具体的に考えられる企業を選びましょう。
募集時期・選考スケジュールが本命とズレているか
あえて時期をずらして募集することで、本命との併願がしやすくなります。同じ時期に複数の選考が重なると、スケジュール管理が大変になってしまう可能性も。早めに選考が進む企業で面接慣れしておくと、本命企業での面接も余裕をもって臨めますよ。
留学・ワーホリ経験者こそ“滑り止め”選びが大事
留学やワーホリ経験のある方は、特に滑り止め企業の選び方が重要になることでしょう。
帰国してすぐに就職をしたいのであれば、余裕をもって就職活動する必要があります。本命企業1本でそのまま内定が貰えればいいですが、現実はそう甘くありません。滑り止め企業も受けることを前提で計画的に活動を始めましょう。
また「海外経験がある=強い」ではなく、「伝え方が上手=内定に近づく」ということを覚えておきましょう。海外経験を評価してくれる企業もあれば、そうでない企業もあります。同じ経験でも、企業によって求められる伝え方が違います。
実際、「最初の面接では海外経験をうまく伝えられなかったけど、何社か受けるうちにコツが掴めた」という話もよく聞きます。滑り止め企業での面接も、本命企業での面接練習になるんです。
さいごに:滑り止めを”戦略的に選ぶ”人が就活を制する
滑り止め企業は、”本命を受けるための踏み台”ではありません。視野を広げて、自分にフィットする企業を見つけるきっかけになる、大切な選択肢なんです。
戦略的に滑り止め企業を選ぶことで、就活全体のパフォーマンスが上がります。メンタルが安定し、次第に面接に慣れて、自分の軸も見えてくる。そして何より、「選べる立場」に立つことができます。
最終的に「どこに行っても納得できる就活」にするために、今こそ”戦略的に選ぶ”ことを始めてみませんか?本命企業だけでなく、戦略的に選んだ滑り止め企業からも内定をもらうことで、あなたの就活はきっと成功に向かうはずです。