「30歳になってからIT業界に転職したいけど、今さら間に合うの?」そう思っている方、その気持ちとてもよくわかります。
新しい分野への挑戦は誰でも不安になるものですし、特に30歳を迎えると「もう遅いかもしれない」と考えてしまうのは自然なことです。ですが、実は30歳でIT業界に転職する人は年々増えているんです。
この記事では、30歳未経験からITキャリアを築くための具体的なステップと心構えをご紹介します。
IT業界は本当に“30歳×未経験”を受け入れてくれるのか?
まず気になるのが、「IT業界って本当に30代の未経験を歓迎してくれるの?」という点ですよね。結論から言うと、答えは「YES」です。
現在のIT業界は深刻な人手不足に直面しています。経済産業省の調査によると、ITエンジニアの人口は2019年をピークに年々低下。世代交代の影響と重なり、今後は若手のエンジニアを十分確保する必要があると予想されています。(※1)
そのため、実務経験よりも「学びの意欲」や「成長への意欲」が重視される場面も多く、未経験でも、しっかり学ぶ意思がある人なら歓迎したいという企業が増えているのです。
(※1参考:経済産業省『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』)
未経験からのキャリアアップ術:30歳からでも実践できる5ステップ
では、具体的にどのようにIT業界への転職を進めていけばよいのでしょうか。
実践的な5つのステップをご紹介します。
IT業界の職種を知る(自分に合う入口を見つける)
まず大切なのは、IT業界にどのような職種があるかを知ることです。
「IT=プログラミング」というイメージを持っている方も多いですが、実際はもっと幅広い選択肢があります。代表的な職種としては、プログラマー、システムエンジニア、Webデザイナー、インフラエンジニアなどがあります。
特に、海外経験もあり英語でのコミュニケーションスキルがある方には「IT×コミュニケーション系」の職種がおすすめです。例えば、海外のクライアントとやりとりするブリッジエンジニアや、技術的な内容をわかりやすく説明するテクニカルライターなどがあります。
ITの基礎を学ぶ(独学orスクール)
職種が決まったら、次は基礎的なスキルを身につけましょう。
独学で始めたい方には、Progate、ドットインストール、Udemyなどのオンライン学習サービスがおすすめです。これらのサービスは比較的安価で、自分のペースで学習を進めることができます。
より本格的に学びたい方は、オンラインスクールや就職支援付きの講座を検討してみてください。費用はかかりますが、体系的なカリキュラムとサポートにより、効率的にスキルを身につけられます。無料の学習リソースも多数ありますので、まずは「触れてみる」ことから始めてみましょう。
ポートフォリオや実績を作る
学習が進んだら、実際に何かを作ってみましょう。小さなWebアプリケーションを作ったり、ブログを開設して技術記事を書いたり、模擬的な案件に挑戦したりすることで、実践的なスキルを身につけることができます。
完璧な作品を作る必要がありません。学習の過程で作ったもの、試行錯誤した痕跡が見えるものでも十分に価値があります。大切なのは、あなたが実際に手を動かして作ったという事実です。
職種に合った転職活動を始める
基礎スキルとポートフォリオが揃ったら、いよいよ転職活動を始めましょう。
転職活動では、これまでの経験をIT分野にどう活かせるかをアピールすることが重要です。例えば、ワーホリや留学経験を活かそうとするなら「適応力」「学習意欲」「異文化コミュニケーション能力」を評価されることが多くあります。未経験であることを弱みととらえるのではなく、これまでの経験をどう活かせるかという視点で自己PRを組み立てていきましょう。
転職後も“学び続ける姿勢”がカギ
IT業界への転職が成功しても、そこがゴールではありません。
IT分野は新しい技術が日々アップデートされているため、常に最新の知識を追い続ける姿勢が求められます。転職後も持続的にスキルアップを図るために、講習会への参加、ブログやSNSでの情報発信、関連資格を取得することをおすすめします。
30歳×IT転職でよくある不安とその乗り越え方
IT業界への転職を考える際に、多くの方が抱える悩みとその対処法をご紹介します。
30代での業界チェンジでは、必ずと言っていいほど「なぜ今IT業界を選んだのですか?」という質問をします。この質問に対する答えを事前にしっかり準備しておきましょう。
「前職では限界を感じた」というネガティブな理由よりも、「IT技術で社会に貢献したい」「これまでの経験をIT分野にも活かしたい」といった前向きな動機を伝えるほうが印象的です。具体的なエピソードも交えて、あなたなりの転職理由を言語化しておくことが重要です。
「勉強をしたいけど、仕事、家事、育児で時間がない」これも30代の転職希望者によくある悩みです。確かにまとまった時間を確保するのは難しいですが、スキマ時間を活用すれば意外と学習は進められます。
例えば、通勤時間にプログラミング学習アプリを使う、お風呂上りの30分だけコードを書く、土曜日の午前中だけは学習の時間にするなど、小さな時間を積み重ねることで着実にスキルアップできます。完璧を目指さなくても「今日は10分でもプログラミングに触れた」という小さな達成感を大切にしましょう。
「転職して収入が下がったら家族に迷惑をかけてしまう」これは30代の転職で最も現実的な悩みの一つです。確かに、未経験からのスタートでは一時的に収入が下がる可能性があります。
そんな時は、いきなりの転職ではなく段階的なキャリアチェンジを検討してみてください。現在の仕事を続けながら、副業でIT関連の小さな案件を受けたり、週末にプログラミングスクールに通ったりすることから始められます。スキルが身についてきたら、現在の職場でIT関連の業務に関わらせてもらうという方法もあります。
また、それでもIT業界への転職に不安があるという方は、プロのアドバイザーに相談してみるのもおすすめです。帰国キャリアドットコムでは、留学やワーホリに関わらず未経験業界への転職活動も支援しています。実際に、留学先で学んだプログラミングを活かしてIT業界に転職した方もいます。国内よりもレベルの高いIT技術を学べるので、帰国後の就職活動でも大きなアドバンテージになることでしょう。
さいごに:30歳の今だからこそ選べるキャリアがある
IT業界の魅力のひとつは、「若さ」よりも意志と継続力がモノを言うことです。確かに技術の習得には時間がかかりますが、それは年齢に関係なく、誰にでも共通することです。
むしろ、30歳という年齢は、これまでの社会人経験を活かしながら新しいキャリアを築くのに「ちょうどいい」タイミングかもしれません。若い頃には見えなかった自分の強みや興味を理解した上で、戦略的にキャリアを選択できる年齢だからです。
まずは興味のある分野の学習から始めてみませんか?あなたの新しい人生が、きっと素晴らしいものになるはずです。