はじめに
履歴書の語学欄に「英語:日常会話レベル」と記入する人は少なくありません。短くまとめられる便利な表現ですが、その一言だけでは採用担当者に正しく伝わらないことがあります。
企業が知りたいのは「実際の業務でどの程度使えるのか」という点です。曖昧なまま書いてしまうと、せっかくの英語力を過小評価されたり、逆に「思ったほど使えないのでは」と不信感を持たれる可能性もあります。
なぜ「日常会話レベル」は曖昧に見えるのか
「日常会話」という言葉は便利ですが、解釈が人によって大きく異なります。旅行で道を尋ねられる程度を思い浮かべる人もいれば、会議でやり取りができるレベルを想像する採用担当者もいます。
この幅の広さが問題で、応募者がどの程度の英語力を持っているのかが伝わりにくいのです。
書き方の工夫 ― 具体性を添える
効果的に伝えるためには、具体的な利用シーンを一言添えることが大切です。
- 「英語:日常会話レベル(外国人スタッフと日常業務の連絡が可能)」
- 「英語:日常会話レベル(海外出張時のホテルや空港でのやり取りが可能)」
- 「英語:日常会話レベル(英語の文献を読み、要点を整理できる)」
こうした補足があると、採用担当者は「仕事でどの程度使えるのか」をイメージしやすくなります。
数字で裏付けをする
日常会話レベルという自己評価に加えて、TOEICや英検などのスコアを添えれば、客観性が生まれます。
「TOEIC 650点/英語:日常会話レベル」
「英検準1級/英語:日常会話レベル」
数字の裏付けがあれば、自己評価に頼るよりも信頼感が増します。
実務経験を加えるとさらに効果的
資格やスコアだけではなく、実際にどんな場面で英語を使ったかを示すと説得力が増します。
- 「外国人観光客への接客経験あり」
- 「海外取引先とのメールを担当」
- 「外国籍スタッフへの業務説明を経験」
こうした具体的な経験は、採用担当者が応募者をイメージする手がかりになります。
実際によくあるケース
「日常会話レベル」とだけ書いて面接に臨んだ人が、想定以上に突っ込まれて答えに詰まってしまった、という話は珍しくありません。採用担当者から見れば、空白を埋めるように質問するしかないからです。
一方で、利用シーンや具体的な経験を記載していた人は「思った以上に活かせるかもしれない」と前向きに評価されることがあります。つまり、書き方ひとつでチャンスを広げることができるのです。
面接で必ず聞かれる質問
履歴書に「日常会話レベル」と書いた場合、面接では高い確率で「具体的にどの程度ですか?」と尋ねられます。
「旅行で困らない程度です」と答えるのか、「外国人顧客に英語で案内した経験があります」と答えるのかで、印象は大きく変わります。後者の方が明らかに採用担当者の目に留まりやすいのです。
英語力と他のスキルを結びつける
語学力だけを切り離して語るよりも、他のスキルと組み合わせて説明すると評価が高まります。
「接客経験を通じて外国人観光客に英語で対応した」
「事務職として英語の資料を読み、報告書を作成した」
このように書けば、語学力だけでなく「接客力」「分析力」といった別の強みも一緒に伝えることができます。
履歴書全体の見せ方も重要
語学力は単独のスキルではなく、履歴書全体の中でどう配置するかが大事です。自己PR欄や職務経歴欄で英語を活用した経験を補足すると、採用担当者の印象に残りやすくなります。
また、「英語:日常会話レベル」とだけ書くより、太字や段落を工夫して「具体性」を強調すると、読み手の目にも自然に入ってきます。
専門サポートを利用するという選択肢
「どう書けばいいのか自信がない」「強みをうまく表現できない」と感じる場合は、専門的なアドバイスを受けるのも一つの方法です。
たとえば 帰国キャリアドットコム では、海外経験を持つエージェントが履歴書や職務経歴書の添削を行っています。曖昧になりがちな「日常会話レベル」という表現を、採用担当者に伝わる形に直してくれるので、不安を減らすことができます。
まとめ
履歴書に「日常会話レベル」と書くときに意識しておきたいのは次のポイントです。
- 曖昧にせず具体的な利用シーンを添える
- TOEICや英検など数値で裏付けをする
- 実務経験を加えて説得力を高める
- 面接で必ず質問される前提で準備をする
- 他のスキルと結びつけてアピールする
- 不安なときは専門的な添削を利用する
「日常会話レベル」という表現は便利ですが、そのままでは弱い印象を与えます。工夫して書けば、十分に強みに変えることができます。自分の力を誠実に、そして前向きに伝えることが、採用担当者に信頼される第一歩になるのです。