「就活を続けるべきか、それともワーキングホリデーに行くべきか…」
大学4年生になると、多くの学生がこの選択に悩みます。周りの友達は内定をもらい始めているのに、自分だけ海外への憧れが捨てられない。でも「新卒カード」を手放すリスクを考えると、なかなか踏み出せないですよね。
この記事では、新卒就職とワーホリのどちらを選ぶべきか迷っているあなたに、現実的な判断基準をお伝えします。
新卒カードとはなにか?その価値を再確認
まず「新卒カード」について整理しましょう。これは日本独特の新卒一括採用システムにおいて、大学卒業予定者がもつ就職活動上の特権のようなものです。
新卒カードの具体的なメリットは以下の通りです。
- 手厚い研修制度:入社後の教育プログラムが充実している
- 安定した初任給:中途採用より条件が良い場合がある
- 明確なキャリアパス:昇進ルートが見えやすい
- 同期との横繋がり:生涯において貴重な人脈の形成
しかし、近年の就職市場は大きく変化しています。新卒採用で入った企業に定年まで勤めるよりも、転職することが当たり前となり、中途採用で就職する人も増えてきました。
つまり、新卒カードは確かに「今しかもてない」価値のあるものですが、それを逃したからといって人生が終わるわけではない、というのが現実です。
ワーホリで得られるメリットとは?
次にワーキングホリデーで得られるものは何があるのでしょうか。
いくつかメリットをピックアップしてみました。
- 語学力の飛躍的な向上
- 異文化コミュニケーション能力と適応能力
- 海外就労を経験することで人生観が変わる
ワーホリを目的に1年間海外生活を過ごすことで、TOEIC点数が300〜400点アップする人も珍しくありません。目安としては、日常会話または簡単なビジネス英語が身に付くレベルです。特にスピーキング能力は、日本では身につけにくいスキルですので、ワーホリを通じて語学力を磨きたい方におすすめです。
また、違う価値観の人々と生活することで、柔軟性と適応力が身につきます。これは今後のグローバル社会で非常に重要な能力です。親元を離れ、言葉の通じない環境で生活することで、自分で考え、行動する力が格段に向上することでしょう。
なにより、現地の多様な生き方を目の当たりにすることで、自分の価値観が変わり、本当にやりたいことが見えてくる場合があります。
新卒がワーホリを選ぶ判断基準~こんな人におすすめ~
では、実際にワーホリを選ぶ際の判断基準についてみていきましょう。自分がそれらに当てはまっているか一度振り返ってみてくださいね。
将来に対する明確な目的がある人
単に「海外に憧れているから」ではなく、具体的な目標がある人はワーホリが成功しやすいです。
- 英語教師になりたくて、実践的な語学力を身につけたい
- 貿易関係の仕事に就き、海外との橋渡しとなりたい
- 起業を考えており、海外のビジネスモデルを学びたい など
目的が明確だとワーホリ中の行動も具体的になり、帰国後の就職活動でも説得力のあるアピールができます。
経済的な準備が整っている人
ワーホリには相応の費用がかかります。最低でも150〜200万円の資金が必要で、さらに帰国後の生活費も考慮する必要があります。
- アルバイトで貯めた資金がある
- 親からのサポートが得られる
- 奨学金などの返済計画も含めて資金計画が立っている
経済的な不安は、極力出発前に解消できるように余裕をもって資金計画を立てましょう。
さまざまなリスクを柔軟に受け入れられる人
ワーホリ中には不確実性がつきものです。
- 現地で思うように語学が伸びないかもしれない
- 帰国時に就職氷河期になっているかもしれない
- 計画通りにいかない可能性がある
こうしたリスクを「挑戦の一部」として受け入れられる人でないと、ワーホリ中にストレスを感じすぎてしまう場合があります。
国内での新卒採用よりもワーホリを選ぶリスクと対策
ワーホリは素晴らしい経験になる可能性がある一方で、しっかりと認識しておくべきリスクもあります。
帰国後の就職活動への影響
新卒一括採用を重視する日本企業では、あなたは「既卒者」として扱われ、選考の機会が限られる場合があります。また、面接において「なぜ卒業後すぐ就職しなかったのか」という質問を受けることもあるでしょう。説得力のある回答ができないと不利になることも。
経済的なリスク
ワーホリ費用は最低でも150〜200万円必要ですが、現地での生活費や娯楽費、さらには帰国後の就職活動費用も考えると、想像以上にお金がかかります。現地でアルバイトをしても、語学力不足で時給の低い仕事しか見つからない場合や、思うように働けない場合もあります。
期待と現実のギャップに苦しむ
「海外に行けば語学力がペラペラになる」「自分が変われる」といった期待を持ちすぎると、現実とのギャップに苦しむことがあります。実際には、現地でも日本人同士で固まってしまい、思ったほど語学力が伸びない人も少なくありません。また、文化の違いや言葉の壁でストレスを感じ、途中で帰国したくなる場合もあることでしょう。
まとめ:あなたにとっての正解は、あなたが決めましょう
結局のところ、新卒カードを捨ててワーホリに行くべきかどうかは、あなたの価値観次第です。周りの声に惑わされることなく、自分の心と向き合ってみてください。
もしワーホリに行くなら、明確な目標を持って挑戦しましょう。そして新卒就職を選ぶなら、それもまた素晴らしい選択です。どちらの道も間違いではありません。
迷いがある場合は、大学のキャリアセンターや海外就職に特化したエージェントに相談することをおすすめします。一人で悩まず、多くの人の意見を聞いて、納得のいく選択をしてくださいね。